2014年8月3日

『GODZILLA(2014)』感想

ゴジラ(1954)を予習して今回のハリウッドゴジラ(字幕版)を見てきた。率直に言って不満が残る出来だったと思う。映像表現は素晴らしかったが、肝心のゴジラのキャラクターがダメ。とくに不満なのは「人間を無視してMUTOをひたすら狙う」という部分と「倒壊したビルやMUTOの攻撃でゴジラが痛がる」シーン。まずゴジラが目的に忠実なロボットみたいになってしまってて怖さがなく、不必要に暴れないので暴れたり火を吐くシーンがそもそも少ない!むしろミサイルを食らって所構わず当り散らすようなのを期待していただけに残念だった。あと、痛がるゴジラは劇作的には盛り上がるのかもしれないが、これもゴジラのキャラクターを損なっていると思う。今回のハリウッドゴジラはゴジラをある種の環境システムと位置づけている。調査可能で、行動が推測可能である。これはハリウッド映画の文法なのだろう。正体不明の存在は調査する。正体がわかれば対策をたてる。この点でゴジラは(神道における)神ではない。そこが結局不満ということだったのだろうか。うーむ。映像表現は素晴らしかった。とくに「汚し」が上手い。汚いところとか古びてぼろぼろになったモノの描写は、もしかするとアメリカでは日常的にそういうものがあるからかもしれない。

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